いつかは自分たちの育てる品種を。環境を想い、夢を育てるブルーベリーパーク。

以前から太陽光発電の事業者を従事している藤村さん。一見農業とはかけ離れた世界のようだが、発電パネル下の所謂“デッドスペース”の活用を模索してたどり着いたのが、ブルーベリーの栽培だった。ひょんなことから始めた事業かもしれないが、3年目を迎えた今は、お客様の声に励まされ、大きな夢も描きつつある。この日は都内での出店に奔走していた藤村さんに、お話を伺った。

~原点~地域の土地活用を思い推進した、太陽光発電

私たちがフィールドとする千葉県成田市は、耕作放棄地といって後継者がおらず暫く放置されている土地も少なくなく、そうした場所を活かす意味でも太陽光パネルの設置を行ってきました。
ただ、設置するだけでは必ずしも地域貢献とは言えず、それを有効活用してこそ地域に還元されるモノだったり雇用だったりが生まれると考えています。
自分たちに何かできることはないかな…と考え思い付いたのが、パネルの下のデッドスペースの有効利用でした。日照は少ない環境ですから、育てられる作物は限られますが、そのなかでも「やってみようか」となったのがブルーベリーだったんです。

~信念~どうせやるなら、”形にとらわれないスタイル”を

国内で生産されるブルーベリーは少ないとは言え、少なからず他にも農家さんがいらっしゃるというなか、自分達はどうしていこうかと模索して…。何か“ならでは”の取り組みができたらと考えて、環境に配慮した農園づくりをめざそうと決めました。太陽光発電の話に少し戻りますが、この発電手法というのは本来、石灰火力や原子力に頼らない” Renewable Energy(再生可能エネルギー)”なわけです。これを原点にしているからこそ、農園にも電気自動車を採用しましたし、園内は電気自動車の充電スポットを設けてどなたでもご利用いただけるようにしています。
それ以外にも、最新の設備を積極的に取り入れ、ハウス内のCo2濃度を計測して発育との関係性を追究したり、日本の他のブルーベリー農家では採用していない、AI搭載の潅水システムで水やり、温度や湿度管理など徹底管理しています。このような取り組みで、他にはないブルーベリー栽培を実現しています。

~未来~いつかはブルーベリーも“品種”で呼ばれるように

気がつけば栽培を始めて3年目となり、取引先や設備の拡充、今回のようなコラボレーションにも参画できるまでになってきました。ブルーベリーは調理や加工をしなくても、例えば実を炭酸に入れるだけでおしゃれなスパークリングドリンクができたり、サラダに散りばめたりと、手軽なアレンジや楽しみ方はたくさんあります。
今はまだブルーベリーというと、海外産が主流ですし、冷凍をイメージされる方も多いはずです。もどかしさはゼロではないですが、それでもこれを伸び代と捉えて、今後はブランディングにもさらに力を入れていきたいと考えています。例えば身近なところでいくと、いちごは全国に産地・品種があり、そのなかには誰もが知っているブランド価値を持つものもありますよね。そこまでには何十年もの月日がかかるとは思いますが、いつか私たちの育てるブルーベリーも唯一無二の品種で呼ばれ認知されるようになったらいいなと願っています。