“同級生”の誘いで叩いた農業の門戸 「深谷のバラ」と呼ばれる未来へ、一歩ずつ

埼玉県は深谷市で、「食べるバラ」を育てるROSE LAB様。なかなか馴染みのない食用の生花だが、その栽培責任者を担う人こそ、今回お話を伺った飯島さんだ。質問を投げ掛けるなかでふと、「ちなみに今何年目なんですか?」と聞いてびっくり、実はまだ1年目とのこと。既に多くを学び、かつ貪欲に未来を描く飯島さんの目で、改めて農業を、バラを、共に眺めてみることにしました。

旧友からの連絡が、僕とバラ農園との出逢いでした。

実は僕自身、将来的に農業をやってみたいという思いが元々あったわけではなく、どちらかというと中学時代の同級生から声をかけてもらって、その頃ちょうど京都の大学で地域活性化についても学んでいた、という巡り合わせがきっかけでした。田中とは高校時代こそたまに遊んだ思い出がありますが、大学は自分が東京を離れてしまったのもあって疎遠で。それなのに声をかけてくれたというのもありますし、ちょうど進路を考えていた時期でもありましたから、思い切って深谷の地に飛び込む殊にしました。

待っていた現実は、「農業の半分は雑草との戦い」

よく農業をされている方の話に触れたり、そこからイメージを膨らませたりしていると、愛情をかけることが大事とか、私たちのようなバラで言えば花をきめ細かに手入れすること自体に目線がいきがちですが、目の当たりにした現実は「ずっと花を触っているだけでは育たない」ということでした。機会があって外部の方に教えを乞うなかで印象に残った言葉があって、「農業の半分は雑草との戦いだ」と言われたんです。本当にそうだなと思いましたし、それでいてかつ、工夫して仕留めるというより毎日対処を繰り返すより他ないんですよね。もちろん農薬を使うことができればそこまでの苦労にはならないのかもしれませんが、私たちは口にするためのバラを育てていますから、そこは宿命であり、日々エネルギーを使う点です。

バラの生命力に魅せられ、新しい取り組みにも邁進

そうして大変なことは当然ありますが、バラを育てる中で日々惹きつけられるのは、何より生命力です。切っても切っても蕾をつけるところや、農薬を使わない中でも強く逞しく生きる姿、これには人間の方が力をもらっているかもしれません。
とは言っても「食べるバラ」の魅力は動かないと伝わらないですから、最近は積極的に地域のお店や企業さんなどとコラボレーションさせていただいています。今回の旅するチーズケーキもそうですし、モンサンクレールさん、あと最近自社で販売しているジャムとシロップは深谷市内のお菓子屋さんに作っていただきました。ジャムはヨーグルトへ、シロップは炭酸などで割ってほのかな香りや味を楽しんでもらうのがオススメです!

いつかは「深谷のバラ」を全国に知ってもらえるように

創業当初よりは従業員が増えたとはいえ、まだ営業に専念できるのはたった1名ですし、一般の方への認知は浅いのが実情だと捉えています。深谷という街自体は農業が盛んで、それこそ深谷ネギなどは既に有名ですが、将来的には「深谷のバラ」も同じように知ってもらいたい。どうしても食用のバラは管理面で一般の方の出入りが難しいものの、例えば別でバラ園を作って、まずは“バラ”自体への親しみや好奇心を増幅させることができれば、と思っています。もっと知識や経験を蓄えて、想いを具現化していきたいですね。


【お知らせ】
ROSE LABの「食べるバラ」オンライン販売が始まりました!まずは一度、ご自宅で楽しんでみてはいかがでしょうか…?
ROSE LAB公式サイト https://www.roselabo.jp/